【南海キャンディーズ】しくじり先生でコンビ不仲を涙の告白【感想】

2018年12月14日(金)に放送されました「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に、南海キャンディーズのお二人が講師として出演され、山里さんの嫉妬から一時期は芸人引退まで追い込まれたことを告白されました。

二人は数々の試練をいかにして乗り越えることができたのか。芸人引退を踏みとどまることができたある先輩の存在とは。そして山里さんからしずちゃんへ、これまで一度も口にしたことのなかったある思いを告白されました。この記事で詳しく紹介いたします。

目次

しくじり先生に出るまで

しくじり先生のオファーは5年前にもあった

山里さん、今回のオファーの前に実は5年前にも”しくじり先生”のオファーがあったことを明かします。

山里「しくじり先生のオファーは5年前にあったんです。炎上とかクズとかそういうやつで。でも、その時はお断りしてるんです。ていうのも、まだ覚悟ができてなかったんです。で、5年経った今だったら、僕の心の闇、南海キャンディーズが抱えてる闇を授業にして届けても、もういいじゃないかなと思って今日来ました」

2004年のM-1をきっかけに売れた

山里さんは”闇”と仰いましたが、売れていないコンビから見れば、うらやましいような経歴です。

2004年

M-1グランプリ・ファイナリスト

2005年

M-1グランプリ・ファイナリスト
ゴールデンアロー賞新人賞受賞
冠番組「南海パラダイス!」放送

2009年

M-1グランプリ・ファイナリスト

山里「(出演者の)オードリーと平成ノブシコブシが同期になるんですけど、同期からこの経歴見ると、いいじゃない、しくじってないじゃないと思うかもしれない。でもそんなことない」

コンビでの共演NG、事実上の解散状態

経歴を見ると順調過ぎるほど順調とも思えますが、一体何があったのでしょうか。

山里「それぞれがNGを出し合ってたんです。お互いがお互いとは仕事したくないと会社に正式にNGを出したという。このころは完全に崩壊してました」
しず「できるだけ一緒にいたくなかった」

最近でこそコンビ同士仲がいいというのは多いですが、昔はコンビの仲が悪いというのは割と普通でした。ですが、お互いプロで舞台に立てばプロの漫才をするし、嫌いというのもベタベタするのは気持ち悪いというようなどちらかというと硬派な感じの「仲が悪い」であって、お互いに本気で共演NGを出すというのはちょっと珍しいと思います。

メンタルが崩壊 芸人引退を吉本に報告

山里さんのメンタルが崩壊し、所属する吉本興業に芸人引退の意向を伝えるまでになってしまっていました。

山里「これを知ってるのは最初のマネージャーさんと、ごく一部の先輩だけです。(平成ノブシコブシの)吉村が知らないのも当然なんです。だって、しずちゃんも知らなかったんです。めちゃくちゃ仲悪かったから、ここに相談なんかしないし、ただ単に会社に辞めますと」

共演者の平成ノブシコブシ・吉村さんは山里さんの同期にあたります。その同期の吉村さんが、山里さんが芸人引退寸前だったことを知りませんでした。

嫉妬が自分を追い込んだ

山里さんのような才能があり、他の芸にがうらやむような結果を出してきたコンビがどうしてそこまで追い込まれたのでしょうか。それは山里さんのある性格が原因だったと自身で分析されます。

山里「とにかく僕は嫉妬する性格なんです。何事に対しても。めちゃくちゃ嫉妬します。人の活躍が大嫌い。だからもうその点ではチヤホヤされるしずちゃんが憎くて憎くて仕方なかったんです」

いわゆるキモいと言われる芸人が、イケメンと言われる人種に噛みついて笑いを生み出すというのはありますが、山里さんは相当本気で入り込んでしまう性格だったようです。

山里「すごいのはしずちゃんへの嫉妬っぷりで、自分がどんどんぶっ壊れていったんです。やばい時期あったよね」
しず「でもそこまで嫉妬してるのも知らなかったんで。全然向き合わなかったんです」

嫉妬するのはしずちゃんへだけではなく、他にも以下のようなことに嫉妬すると告白します。

自分と他人を比べて嫉妬する例
・女性にチヤホヤされるイケメンに嫉妬
・リア充な休日を過ごす女友達に嫉妬
・テレビの前では破天荒と言っているのにスタッフとばっかり飲みに行って仕事を取ってくるお調子者芸人に嫉妬(平成ノブシコブシ・吉村)

こういった経験を得て、今回の授業のテーマが発表されます。

授業テーマ:自分と他人を比べて嫉妬で人生迷走しないための授業

華々しい同期たち

山里さんはNSC(吉本興業の芸人養成所)大阪校の22期にあたります。大阪NSC22期生は以下のような面々です。

大阪NSC22期の同期
ダイアン
キングコング
村本大輔(ウーマンラッシュアワー)
なかやまきんに君
ネゴシックス
久保田かずのぶ(とろサーモン)
中山功太
林健(ギャロップ)
ミサイルマン
スーパーマラドーナ

少しお笑いに詳しい方であれば、なんと豪華なと思うメンツではないでしょうか。さらにNON STYLE はNSC出身ではなくオーディションで芸人になったのでNSCの同期ではありませんが、芸人としては山里さんと同期にあたります。

さらに、同じ期にあたる東京NSC5期には平成ノブシコブシとピースがいます。

東京NSC5期
平成ノブシコブシ
ピース

さらに他事務所ではナイツ、オードリー、ハマカーンらが同期です。

他事務所の同期
ナイツ
オードリー
ハマカーン

名前を聞いただけで押しつぶされそうになるくらいの豪華な同期たち。その中でもさらにぶっちぎりで光り輝いていたコンビがいました。

光り輝いていたキングコング

NSCの講師を務める某有名構成作家の方は、キングコングは二人とも在学中から光り輝いていたと仰っています。

キングコングはNHK上方漫才コンテスト最優秀賞を2000年に受賞するわけですが、この時なんと19歳です。そしてこの時まだNSC在学中で、コンビ結成5か月です。関西の賞をNSC在学中に受賞したのは過去にキングコングだけです。

そのキングコングに山里さんは猛烈に嫉妬してしまいます。

山里「特にキングコングはNSC在学中からとんでもなくて、NSC始まって以来の在学中に賞を獲るという。授業でも、キングコングが受賞するシーンをテレビで見るっていうのがあったんです」

華々しい同期の才能を前に嫉妬に狂った山里さんはある行動に出てしまいます。

メンタルがパンクするまで相方を追い込む

当時、山里さんは南海キャンディーズを結成する前で、「足軽エンペラー」というコンビを組んでおられました。その相方さんをメンタルがパンクするまで追い込んだというのです。

山里「相方はラ行が苦手なんです。ラ行が苦手という相方に、こんなことをします。『墓場の前で数時間 “ルルルルル…” とひたすら言わせる』。どなたか知らないお墓の前に座り、墓石に座りまして、じゃあ行こうかっつって。『ルルル』『違う違う。そんなだからラ行ダメなんだよ。もっと巻き舌できなきゃだめなんだよ』『ルルル』『いやダメだ』それが3時間続けたんです。で、舌がもうやり過ぎて血が出ちゃったから言えないってなって、じゃあ血が止まるまで待とうつって墓で待つという。もちろんのことながら最後、富男君(元相方)に捨てられることになります」

これはもうまともな精神状態だとは思えない行動です。ラ行の訓練を必死にやるのはわかりますが、なぜお墓に行ったのか。血が出るまでやったのか。山里さんもなぜそんなことをしたかわからなかったと言います。

人と比べる人間のしくじり傾向

このことを山里さんは、誰かを攻撃して「自分は底辺ではない」と安心していた、と振り返ります。

山里「人に怒ってる時って、なんか自分は上にいる気持ちになるわけですよ。でも決して上にもいない。そして前にも進んでいないってことにこの時は気付かないんですね」

以下のような状態に陥っていたと分析されておられます。

相方をパンクさせたパターン
相方を責める
→安心感を得る
→再び不安になる
→もっと相方を責める
→相方がパンク

コンビ解散後、ピン芸人として活動

コンビ解散後、山里さんは「イタリア人」というピン芸人として活動を始めます。

山里「イタリア人ていうピン芸人のネタが全然ウケなくて、baseよしもとっていう劇場は上が本屋さんなんです。僕がネタやってる時にスベリ過ぎて、笑い声が何も聞こえなくて上の本屋さんのレジの音がチンて聞こえたんです。で、ピンじゃまずい。相方を探さないといけない。でもいまさらイケメンと組んで戦おうなんて、スタートダッシュをガンガンかましてるキングコングにはどうにも敵わない。で、私が考えたのは土俵にライバルが少ないもの。それが何かって考えた時に、男女コンビだったんです。あの当時、男女コンビが全然いなかったんです。特に若手は」

今はもう閉館してしまいましたが、当時「baseよしもと」という若手芸人の拠点となる劇場が、NGK(なんばグランド花月)の向かいの建物の地下にありました。ちなみにその本屋というのはジュンク堂のことで、そのジュンク堂も現在は閉店してしまいました。

島田紳助さんもそうでしたが、山里さんも若いころから戦略というのをすごくちゃんと考えて行動されていた方だと思います。そもそも関東出身の山里さんが、東京にもNSCがあるにも関わらず大阪に来たのも、お笑いやるなら本場の大阪だろうと思ったからでありまして、つまりは本気でお笑いをやるためです。

山里「でも、男女コンビでいまさら僕がかわいらしい子と一緒に気持ち悪い男でやってもウケることはない。ただの女性じゃだめだと。インパクトのある女性がいいということで私が行きついたのがこんな存在です。次の相方の条件、得体の知れない怪物」

南海キャンディーズ結成

しずちゃんとコンビを組みたいと思っていた山里さんでしたが、しずちゃんはその時すでに別の方とコンビを組んでおられました。

山里「しずちゃんその時、西中サーキットでやってましたね。でもそのコンビも終わっちゃうんだよね」
しず「彼女がもうイヤや。結婚したいって言って。辞めちゃって。でも山ちゃんと組む前に別の男性と一回組んでたんです」
山里「そこに私がどうしてもその怪物が欲しいということで、何とかしてこの子をとらなきゃいけないということで、色々作戦を立てまして、しずちゃんの周りに取材をかけまして、徹底的にしずちゃんの好みを調べます。しずちゃんが甘いものが好きって聞いたんで、よし話し合いはケーキバイキングだってことでケーキバイキングに行きます。それ以外もしずちゃんの好きなアニメ、DVD、全部調べ上げてるんで、ケーキの最中も『ジョジョの何部っておもしろいよね』、『ジョジョ好きなんや?』、『え、好きなの!?』ってなるんですけど知ってますから好きなの」

そしてストーカーばりの探偵ばりの調査の甲斐(かい)あって、山里さんはしずちゃんを相方にすることができ、2003年に南海キャンディーズを結成します。

山里がしずちゃんに何万回も言い聞かせた言葉

「怪物」を手に入れた山里さんは、しずちゃんを徹底的に自分の思う「怪物」に育て上げようとします。

山里「そこから、私がしずちゃんに何万回も言い聞かせた言葉があります。お前は今日から人間じゃない。静代よ。怪物だ。怪物になるのだ。怪物のイメージ、ちっちゃい子供に花を上げる。小鳥が肩に止まって一休みしにくる。村を鉄砲水の危機から体で止める」
しず「それを、舞台上だったらネタの中でいいとしても、普通の私生活でもカメラ止まったところでもそれでいないといけないっていう。私がちょっと失礼な男性の鼻の大きさとアソコの大きさが一致するみたいなロケがあって、股間を私が触りまくるロケがあったんですよね。そのあと私が触った人たちに謝ったんですよ。カメラ止まってから。そしたら『謝るな』って。『それは人間のする事や』って。私はもう本当にストレスで、山ちゃんの言葉を黙って聞いてたんですよ。それは私たちがこうやったからなんです」

南海キャンディーズの性格
山里:とにかく相手に要求する「干渉体質」
静代:いつも受け身の「されるがまま体質」

M-1グランプリ2004で準優勝した結果

「怪物」を得た山里さんは、しずちゃんを徹底的に自分色に染め上げ、結成1年6か月にしてM-1グランプリ2004で準優勝いたします。

そして、M-1準優勝の結果オファーは殺到し、スケジュールは真っ黒になります。
山里さんはようやく結果を出し、鬱積(うっせき)した嫉妬の念から解放されると思われました。

山里「僕の書いたネタのおかげでキラキラした芸人を一気にぶっ倒して私の嫉妬がここで収まると。でも待っていたのはこんな状況でした」

M-1準優勝した結果
しずちゃんだけが超チヤホヤされる
山里の扱い:しずちゃんの横にいる「じゃない方芸人」

山里「それに乗っかってくるのはキモキャラ。気持ち悪いっていう役です。台本にも『山里、気持ち悪いと言われて一言』って想定で書いてあるぐらい。気持ち悪いってアイドルの人とかに言われる要因としてしか呼ばれない」

一方でしずちゃんはシャンプーのCM出演し、日テレ「世界!弾丸トラベラー」のレギュラーを獲得。山里さんは地方イベントのMC。アイドルイベントのMCのような仕事ばかり。

山里「こんな状況ですから、なんで俺がネタ書いてんのにこんなことやらなきゃいけないんだ。なんであっちだけキラキラすんだってことで、僕の怒りをMAXにさせる出来事がしずちゃんに起きるんです」

山里の怒りをマックスにする事件:映画「フラガール」出演
蒼井優と共演。日本アカデミー賞新人俳優賞受賞

これは、山里さんがしずちゃんに対して芸人でいてほしいのにそうでなくなっていくことへの焦燥(しょうそう)なのか、単純にうらやましいと思ったのか、どうだったのでしょうか。

山里「芸人でいてほしいっていう武器で、引き留めようとしてた。正直今言うと、自分だけすげー世界行ってずるいと思ってただけ」

ネタを書くというのは、書いたことがない人には中々理解しづらいところがあると思うのですが、本当に本当に大変なことです。これまで自分が生きてきた目線のすべてがネタに活かされるので、それまで何の目線も持たずにボサっと生きてきた人には、お金をもらってお客さんを笑わせるようなネタは絶対に書けません。

そのネタを書くという、とんでもなく大変な作業を一人でやってきて、そのおかげでM-1準優勝を獲得したのに、ネタを書いていない方が華々しい仕事ばかり持っていき、自分は気持ち悪いと言われる地味な仕事ばかり。南海キャンディーズの頭脳は俺なのに、という思いを山里さんが持ってしまうのも、ある意味仕方のないことだと思います。

山里、しずちゃんへ嫌がらせ行為を始める

それから山里さんはしずちゃんへ嫌がらせをするようになります。

怒りの山里 嫌がらせ集
一切トークを振らない
一切ツッコまない

しず「山ちゃん仕切りだったら山ちゃんの思い通りなので。2人の冠番組なのに一言もしゃべらずに終わったりとか」
山里「南海キャンディーズってやっぱ山ちゃんだなって思わせるために、こっちを向いてくれと。何もしないこっちより俺はこんなにも出来るんだぞっていうので、それで戦うしかなかったんです。ネタを書いてることが僕の自負だったんですけど、テレビのネタ番組に出てもこうなっちゃうんです」

コンビ仲が最悪でネタ番組に出た結果
全くネタがウケない

山里「M-1を越えるネタがまったくできなくて」
しず「コンビ仲もめっちゃ悪かったから、やっぱネタ自体もコンビネーションが悪くてどんどんあかんほうに」
山里「ネタ合わせってこう隣に立ってってやると思うんですけど、うちはもう部屋の端と端ぐらいで。”てにをは”間違えるぐらいでブチ切れるんですから。楽しくなかったんですよほんとに」

山里、自信を喪失する

そんなコンビ仲が本当の意味で悪くなった状態で漫才をやってもお客さんに響くわけがありません。そして山里さんは自信を喪失します。

ネタがウケなくなった結果
芸人としての自信を喪失
漫才が怖い

山里「笑い声を聞いてる間は自分に自信が持てたんですけど、笑い声がどんどんなくなって悪評ばっか聞いてると怖くなってきて、漫才だけじゃなくてトークもできなくなったんです。仕事行っても、ああみんな今日一発屋のおもしろくないやつがきたと思ってるんだろうなあとか、エピソード言っても笑い声が少ないと、今面白くないって思ってんだろうなあとか、しずちゃんの相方で呼ばれてブームっていう下駄を履いたうえでの笑いの量だなとか、とにかくどこ行ってもプラスにならなくて、口癖がとにかく”すみません”ていう。スタッフさんに見送られる時でも”すみませんでした”って言って」

これはいわゆる「自己肯定感」が最低な状態だったということでしょうね。非常に危険な状態だと思います。

しかし、山里さんは誰にも相談しませんでした。いや、出来なかったのです。

山里「ほんとだったら誰かに相談するべきだったんですけど、こういうタイプの陥る傾向があるんです」

人と比べる人間のしくじり傾向
人の目を気にして自分の弱みを見せられない

山里「弱みを見せると自分が惨めで嫌な気持ちが加速しちゃうんで弱みを見せなかったんです。で、一人でずーっと抱え込んでたんです」
しず「私も山ちゃんとは距離置いてたんでそんな状態っていうのもわからずに」

誰にも相談できなくて、どんどん自分の頭の中でだけ考えを巡らせて妄想を肥大させて悩んでしまう状況は、本当に危険だと思います。僕もどちらかというとそういうタイプですので、気を付けなければと思います。

山里のメンタルが崩壊する

そうして自信を喪失した山里さんはついにメンタルが崩壊してしまいます。

誰とも喋らずに帰る

しず「とにかく帰るのが早いっていうか。誰とも目合わさずに、スタジオ収録終わって私が一歩歩いたぐらいでもうタクシー乗ってるくらい。誰とも喋らずに帰る」

無意識に宅配ピザを頼んで完食する

さらに、メンタルが崩壊した結果、無意識に宅配ピザを頼んで気が付いたら完食しているという状況にまでなります。

山里「何もしてないっていうのがまず罪悪感があるんで、もっと仕事のこと考えないといけない。でも考えたくない。何かをしていればいいんだ、と思った時に、寝るのはサボってるってなるから、食事って言うのは人間にとって必要不可欠な時間だからっていうのが働いて、食事をしている間は何も考えなくてもいいんだって、いつのまにか無意識にそれをやるようになっちゃった」

そうやって暴飲暴食を繰り返し、20kg太ります。

電車の連結部分の音が自分への悪口に聞こえる

ついには、電車に乗っているときに電車の連結部分から聞こえるきしむ音が自分への悪口に聞こえてしまうという状況に。あれをどうやったら悪口に聞こえてしまうのでしょうか。

山里「キショイ、キショイ、キショイって」

きしむ音を「キショイ」と聞こえるというのは自分で相当にそう思い込まないと無理だと思います。つまり、それだけ追い込まれていたということでしょう。

気が付いたら実家に向かっている

さらに電車に乗っていると、無意識に実家に向かってしまっていました。

山里「気が付いたら、あれどこだろうってなったら、実家に向かう電車の中だったとか」

完全に心のSOSですよね。よく、ここで本当にダメなところまで行ってしまわなかったと思います。生きててよかった。

山里、芸人引退を決意

メンタルが崩壊し、ギリギリの状態になってしまった山里さんは、ついに芸人引退を決意されます。

山里「もうダメだなと思って、当時お世話になっていたマネージャーさんにまず伝えました。これがちょうどたくさんテレビに出てた2006年です。芸人仲間には言わなかったんですけども、唯一ある先輩芸人にだけ辞めることを報告しました」

芸人を辞めることを唯一伝えた先輩芸人

その、引退することを唯一告げた芸人が千鳥・大悟さんでした。

山里「ほんとに公私ともにお世話になってまして、その大悟さんにはやっぱり礼儀として言わないといけないなってことで、大悟さんすみません僕もう自信がないので芸人辞めることにしましたって。そしたら『ああそうなんや』。結構軽い感じで。『でも俺今度東京行ってトークライブするからお前出てくれるって言ったやつ、それは約束守れよって。あとは好きにしたら』って。で、何しゃべっていいかわからない状況でそのライブ行ったら、大悟さんが喋るエピソードの全部主人公が僕なんです。全部のオチが僕の一言言えばドカーンて笑いがくるやつばっかりなんです。その時にいた僕の同期の仲間たちも全部のエピソードの主人公僕なんです。で、ずーっと聞いてなかった笑い声がどんどん耳に届いてくるんです。自分が何か言った後に笑い声がくるっていうので、すごい嬉しくて久しぶりに人におもしろいと思ってもらってるって。笑い声が聞こえるって嬉しくなってものすごい一生懸命喋ってて、笑い声聞いて、自分から発信して笑い声聞くこともできて、そのライブが終わったんです」

芸人にしかできない粋(いき)なメッセージです。

山里「で、打ち上げになったときに大悟さんが、『これでもお笑い辞めるんか?』って。で、僕もそれで自信を取り戻しまして、『続けさせていただきます』って行ったら大悟さんが一言。『おかえり』って。そっからです。それをきっかけに僕はもう芸人を辞めるっていう選択肢を捨てることができました。この時に初めて自分がいかにやばかったか気付いたんです。笑い声をまったく聞けないと思ってる自分の勘違い。笑い声を聞くために自分で頑張るってことをどれだけしてなかったんだろうって。人に対する接し方とかいろいろ間違いに気づいて」

これはもう大悟さんがかっこよすぎますね(笑)。こんな上司や先輩がいたらいいなって、みんな思うのではないでしょうか。

山里、しずちゃんへの嫉妬止まらず

大悟さんの粋なエピソード。これで山里さんの心はきれいに洗われたと思いきや、これでは終わりませんでした。

山里「この貴重な経験を経て、僕の相方への想い、こうなるんです」

相方・しずちゃんへの思い
大悟さんには助けてもらったが、お前には何もしてもらってない。

山里「お笑いを辞めるということは止まりましたが、嫉妬は止まりません。こっからめちゃくちゃ嫉妬していきます」

山里、しずちゃんへの嫌がらせをする

山里さんの、しずちゃんへの嫉妬は止まらず、しずちゃんへ嫌がらせをするようになります。

しずちゃんのトークブロックを消す

山里「事前にトーク番組の台本を取り寄せまして、チェックしてしずちゃんのブロックを確認して、こういう流れでこういうトークを振られるんだっていうのを調べ上げて、それだったらそのフリを使って僕がこう入れるなっていうのを全部計算してトークを横取りし、一切喋らせないという妨害工作をしておりました」

何という用意周到さ。そして芸人にとりまして、トーク番組で意図的にトークブロックされるというのは最も陰湿な攻撃といえます。

旅行へ行くしずちゃんへ嫌がらせのメール

山里「しずちゃんが仕事の合間をぬって香港へ旅行に行くというのを調べまして、どの飛行機でいくのかなっていうのを調べまして、フライト直前にこんなメールを送らせていただきました」

山里がしずちゃんへ送ったメール
マネージャーさんから聞きましたが、海外に旅行に行くそうですね。今、そういう芸能人のような時間の過ごし方を選択する事に驚いています。そこまで、僕らは仕事ができてるでしょうか?リフレッシュしなきゃいけないくらい死ぬ気でやっているでしょうか?僕はまだそんな休みをとるというのはおかしいと思います。海外に旅行ということならエピソードの100個は作ってきてください。サボったら負けです。

これも、わざわざどの時間のどの飛行機かを調べて、あえてフライト直前にメールを送り、つかの間の旅行の楽しみを奪ってしまおうというやり方でした。

しずちゃん、山里へ共演NGを出す

そして、しずちゃんもついに限界が来て、山里さんに対して共演NGを出します。

しず「新しく入ってきたお仕事は山ちゃんとやりたくないと。NGを出しました」

漫才コンビで共演NGを出すって、本当に異常な状態です。

山里、しずちゃんへ報復する

しかし執念深い山里さん。すかさず報復行為に出ます。

山里の報復行動
コンビでオファーが来たテレビの仕事を山里のピンに変更
コンビでの劇場出番をピン漫談に変更しようとする
コンビ名「南海キャンディーズ」を使わない

山里「コンビの会話はないです。で、僕は各所で相方の悪口を言います。こんだけ出来ないんだ、してくれないんだ。俺は頑張ってるのにこんなことになってるって」

本当に最悪の状態ですね。陰で相方の悪口を言って回る。悲しいことです。

山里「吉本は劇場があって、コンビで何回かは出ないといけないっていうルールがあるんです。で、そのたびに会わなきゃいけないんだったらそのノルマ俺一人でやるって会社に相談したんです」

こうして完全にコンビは崩壊していきます。

しずちゃん、ロンドン五輪に挑戦

元々ネタを書いていた山里さん。南海キャンディーズの頭脳は俺だ、どうして俺のことをもっと見てくれないんだ、という思いがあったはずです。

山里「ネタを全部書いてた僕からすれば、さあ一人になって何が出来んのよ。やれるもんならやってみろよって感じで見てたらとんでもねえことやりだすんですよ」

しずちゃん予想外の行動
ボクシングでロンドン五輪出場に挑戦
ボクシングをしてきた結果
顔面ボッコボコの状態で劇場にやってくる

山里、しずちゃんを利用する

しず「でもこれだけ反対して、何やってんねんてボクシングに対して言われてたんですけど、ロンドンオリンピック2012年の1年前、何百のマスコミが一気に記者会見で集まって、そっからすごい注目されるようになったんですよ。そうなったらあんだけ反対してた山ちゃんが手のひら返したように『頑張って』ていう感じになってきたんですよ」
山里「正直、使えるって思ってました」

ここまで正直に言ってくださると清々しいですね(笑)。

山里「そんな最低な僕は、しずちゃんの練習にマスコミが入る日を調べまして、プライベートで応援に来た感じを装って赤い眼鏡外す、プライベート感出すために。カメラがいること知らないふりしないといけないんで。わざと気を抜いた服装で栄養ドリンク持ってカメラの前に現れるんです」

しかし、良い悪いは別にして策士ですよね。前世、戦国時代に生きていたとしたら参謀として大暗躍していたのではないでしょうか(笑)。

山里、ピンの仕事に没頭し、思いが変化する

2009年にピン活動のターニングポイントが訪れます。加藤浩次さんが出演されていた「スッキリ」のナレーションの仕事がきたのです。

そこで「天の声」としての仕事を褒めてもらい、それから他のお仕事でもほめてもらうことが増えていきました。すると、山里さんの思いに変化が表れたのです。

山里「今までの自分は人を攻撃することにエネルギーを使っていたんです。自分が成長するためにエネルギーを使うことが大事だってやっとここで気付いたんです」

しずちゃんの思いも変化する

一方、その頃しずちゃんもボクシングに本気で挑戦して、ある事に気付きます。

しず「私がボクシングに命懸けになったのと同じくらい山ちゃんは漫才に命がけやったんやなってそこで初めて気づいたんですよ」

番組最初のエピソードを聞いていると山里さんは確かに人としてダメなことをやっていたと思います。でも、それは本気で戦い続けないと生き残っていけないという覚悟があったからこその行動でした。その山里さんの真剣さが、しずちゃんを今の位置まで運んできたことは間違いないはずです。

しず「今まで自分はラッキーで来てたから、お笑いに対してそこまでやれてなかった、ぬるかったなってボクシングで気付いて、で、そんなことに気付いた私が山ちゃんに伝えるんです」

ここでしずちゃんは山里さんにあることを伝えます。

もう一度、M-1に出たい

しずちゃんは山里さんに、もう一度M-1に出たいと伝えます。

しず「漫才に対しても全然死ぬ気で向き合ってないし、楽しくもなかったし、芸もやってないのい芸人て言えないなっていうのがずっとあって。ボクシングは一生懸命やったけども、芸人としての自分には何の自信もないし、自分て何なんやろうってボクシング引退してからずっと悩んでて、山ちゃんにM-1出たいって言いました」
山里「僕の中で、最後に出たM-1が、まあボロ負けだったんです。さらに5年間共演NGで何のコンビネーションもとってない人間が立っていい場所じゃないんですよ。その5年間も劇場に毎日立ち続けた若手たちは、めちゃくちゃおもしろい今のネタを作ってて、テンポもいい、設定もいい、めちゃくちゃ凄いやつがめちゃくちゃいるとこに今僕らが飛び込んでも絶対ロートルだと。恥をかく。だから嫌だっていうのもあったんですけど、しずちゃんの言う『芸人』って言いたい。僕も確かに芸人て言えるのかってなったときに、もう一回芸人て言いたい、同期も頑張ってるし、ダイアンがM-1出てる姿もかっこよかったし。じゃあいこうってことで、6年ぶりに南海キャンディーズはM-1に挑戦するんです。そっからがもう、リハビリだよね。もう漫才が下手くそで仕方ない状態なので、とりあえず空いてる時間見つけて、昔みたいにカラオケボックスとか行って、ネタ合わせするんですよ。ネタ合わせしてもお互いが同じ方向を向いてるからそんなにぶつかることもなくね」
しず「関係性も変わってきてる感じがしたんで。私がモノを言える状態になってきたんですよ。山ちゃんは一切聞き入れなかったけど、こういうのもやってみたいとか、自然と自分の意見を挟める関係性になってきた」

結果は準決勝で敗退

山里「僕は負けた時にどっかで『よくやったよ俺たちは』って。こんだけ長い間ブランクあって、現役と言われる人たち、劇場出まくってる人たちと闘って準決勝、敗者復活戦でもある程度順位とった。よくやったな。ねえ、しずちゃんと思ってふとしずちゃんを見ると、しずちゃんが人目をはばからず号泣してたんです」
しず「ああもう、このM-1ていう舞台に一生立てないのかと思ったら、すごい色んな思いが、やっぱりM-1から始まったコンビなんで、M-1に対しての思いがこんなにあったんやって自分でも涙出て感じたというか」

南海キャンディーズは、実力があるのはもちろんですが、それでもやはり幸運でした。2004年のM-1決勝で準優勝しブレイクしたわけですが、2004年のM-1グランプリは、一部では「空白の2004年」と言われている年です。

当時、審査員の島田紳助さんは、とある事件を起こし審査員からは外れ、松本人志さんも審査員を辞退されました。そして、笑い飯、麒麟などの実力派コンビも出場してはいましたが、出来があまりよくなかったのです。2004年のM-1放送終了後、当時放送されていた「松本人志の放送室」というラジオ番組で松本さんはこう仰いました。

松本「アンタッチャブルに救われたな……」

つまり、優勝したアンタッチャブル以外に、これといったコンビがいなかったという意図の発言でした。南海キャンディーズは準優勝ではありましたが、決してずば抜けて出来がよかったわけではありませんでした。この年は圧倒的にアンタッチャブルの優勝だったのです。

そういった中で南海キャンディーズがインパクトを残せたことは幸運でした。南海キャンディーズが世間の目に触れたのは間違いなくM-1という大会がきっかけだったのです。

そんなM-1という大会に、もうすでに名前が売れているのに再度挑戦。準決勝で敗退し、敗者復活でも敗退して人目をはばからずに悔しがるお二人の姿は、M-1グランプリ2004で幸運にもインパクトを残して売れた時よりも、はるかにカッコイイものでした。最高にかっこよかった。その姿は間違いなくお二人が憧れた「芸人」の姿そのものでした。

初の単独ライブ開催

M-1グランプリの出場資格は結成15年以内です。南海キャンディーズのM-1挑戦は終わってしまいましたが、山里さんはしずちゃんに単独ライブの開催を提案します。

山里「大体みんな単独ライブって言うのは組んだ年からやって、ネタをためてストックしていいネタ作って、ってやるんですけど、僕らやったことなくて。時間なんか気にせず好き放題やるっていう漫才やろうって、こんな提案ができる関係でもなかったんです。好き放題の時間で漫才できるなんてお互い信頼関係がないと、そんな漫才絶対できないです。でも、それを投げかけることができる関係になっていることに、M-1再挑戦で気付いたんです。漫才っていうものを使えば、僕らは一緒に目を見て話すことができるんじゃないかっていう。それでしずちゃんとひたすら時間関係なく自分たちらしい漫才をしようってネタ合わせして。でやってきた本番。こんな感覚を味わいました、生まれて初めて漫才が楽しかったんです」

単独ライブなんて、結成すぐの若手でもやっているようなことですから、15年やっていてこれだけ名前が売れていて一度もやったことがないというのはかなり珍しいことです。

山里「ずっと南海キャンディーズだったら手にすることができないって思ってたんです。時間気にせず好きなこと言って勝手に相方が言っちゃったのを思わず笑っちゃって、そこから広げて漫才するっていうのは一生僕らはできないって思ってたんです。だから南海キャンディーズっていうのは仕事のためだけに集まって仕事の漫才をして、で終わる。ここに楽しみなんか一生ないって思ってたら、単独ライブの稽古の時からめちゃくちゃアドリブ言ってくれるし、それに対してツッコんで、無茶ぶりすると、すごい嬉しそうにその無茶ぶりにノッてくれるっていうのをネタ合わせでずーっとやってて本番どうなるんだろうって思ったら、本番はもっとすごい状態でやってくれて、こんなに漫才が楽しいんだって思って12分のネタだったんですけど最終的に24分やってたんです。むちゃくちゃ楽しいってなって」
しず「やまちゃんが横にいてこんな楽しいの初めてって。今までもう憎くてしゃあなかったけど、こんな楽しい日が来るんやって。コンビってこういうことなんやっていうのを、この単独での漫才で初めて知りましたね」

この単独ライブの漫才を生で見てみたかったですね。こういう二人の空気感て、距離が遠くても生で見ていると伝わってくるものです。

南海キャンディーズ、初めて雑談をする

本当に悪い意味で険悪な状態でお互いがただのビジネス漫才をやって、たとえそれがうまい漫才であったとしても、その演者二人の空気感はお客さんに伝わります。

山里「仲よくすればいい漫才が出来る事に気付くのに15年かかりました」
しず「山ちゃんと仲悪かったんで雑談とかもしてなかったんですよ。でもダメ出し以外で山ちゃんがある日楽屋でこんなことを話しかけてきたんです。犬ってかわいいよね」

別に大しておもしろいこと言ってないのに、二人の空気感でおもしろい漫才になってしまうというようなことが実際にあります。

しず「今までやったらこんなどうでもいい話なんてしないし、こんな他愛もない雑談を言ってくれるっていうことにびっくりして」
山里「うちの兄が犬を飼ったんで、犬ってかわいいよねって言ったのが実はコンビ組んで初めて仕事以外の会話なんです。嫉妬で雑談すら許さない状態にしてたんだなと。しずちゃんがこの雑談を覚えてて、こんなことが言えるようになったんだっていうのをマネージャーさんに言ってるって聞いたときに、僕はなんてヒドイ暴君だったんだろうって。犬ってかわいいって山ちゃんが言ってくれたってマネージャーさんに言ったらしいんです」

犬かわいいという会話すらできない関係でコンビで仕事をしていたと考えると、胸が痛みます。お二人どちらも辛かったと思います。

南海キャンディーズが伝えたい教訓

嫉妬で自分を見失うな!新たな自分を生むチャンスだと思え!

山里「僕は嫉妬にまみれて何も見えなくなってたんです。嫉妬って今思えば自分が努力してないときに襲ってくるんですよ。何か自分に自信がない納得いかないときに襲ってくるものを他人のせいって逃げてる時に他人に攻撃してしまってたってことに気付いて、だから嫉妬してるってことは今頑張れてない頑張るチャンスなんだって思えたらガラって変わってたと思うんですこの時に。なのでそれに気付くのに僕は15年かかってしまったんで、で、正直僕は嫉妬って言うのはガソリンだと思ってるんで、それを自分を動かすためのエンジンに使うのか、それとも自分の大切な者、本来だったら自分のための者たちを焼き尽くすのか。どっちに使うのかっていうのは、たった一つの目線で変わってたっていうのが今やっとしずちゃんとこうして気付くことが出来ました」
しず「私も心のシャッターを完全に閉じてしまってたんで。山ちゃんと向き合うことから逃げてたし、それがしんどいと思って向き合おうとしなかったけど、やっぱりちゃんと向き合える状態になって成長できたなかと思いますね」

山里さんはああ見えて不器用な人間であるがゆえに、嫉妬のエネルギーの使い方を誤ってしまい、自分や周りの人を傷つけてしまっていました。

山里が一度も言えなかったシンプルな言葉

そして、山里さんはこれまでの己の行いを懺悔(ざんげ)するように言葉を続けます。

山里「今回オファーをいただいて、5年前はダメだったしくじり先生、なぜここに立たせていただいたかというのは私一個思いがございまして、実はコンビ組んで15年皆さんに今日喋ったようなことをしてきた悪行三昧(あくぎょうざんまい)、ほんとにひどい人間なんです。その人間がこの15年で一度も言ってないシンプルな言葉があるんです。それを言うにはたぶん全てを言った後に言わなきゃなって思って。で、この場を…やったんですけど。ほんとシンプルな言葉です」

涙で喉が詰まるのをこらえるように続けます。

山里「今まで、あの…ごめんなさい。たぶん僕のことを切り捨てるタイミングはどこにでもあったんです。で…聞いたのが、他の先輩からも、もう解散した方がいいんじゃないかとか、しずちゃんが新喜劇に誘われてたのも知ってたんで。それでもずっと断り続けてくれる理由に、『私は山ちゃんに拾ってもらったんで、南海キャンディーズを私から解散することはありません』っていうのをずっと色んな先輩に言ってくれてるのを聞いてて、それを知っててずっと甘えて悪行三昧でしずちゃんを攻撃し続けることで、自分が頑張ってる錯覚を起こして、自分が調子いいときは調子いいときで、しずちゃんを蔑ろ(ないがしろ)にして、それで本当は南海キャンディーズなんていつでも捨てられる状況なのに、捨てずに最後に僕に一番おもしろい漫才をできる場を用意してくれたっていうのは本当に心から感謝してるんで、今日この場ですべてを懺悔した後じゃないと、人生コンビ組んで初の”ごめんなさい”が言えないと思ったんで、この場をそういう場に使わせてもらいました。ほんとに、今までごめんなさい。そして、ありがとうございました。ということで、我々の授業はここまでです。ありがとうございました」

今回、テレビの前でこれだけのことをさらけだして話した山里さんは、最高に最低で最高でした。

しずちゃんの才能を見つけて必死で口説いた山里さん。

その山里さんの才能に引き上げてもらい、世間の目に触れることのできたしずちゃん。

自分が育てた「怪物」が世間から注目を浴びたことに嫉妬してしずちゃんを潰そうとした山里さん。

そんな山里さんと物理的・心理的に距離を置いたしずちゃん。

距離を置いて大切なことに気が付いた山里さん、しずちゃん。

再び距離が近くなった山里さん、しずちゃん。

恥をかくのを覚悟で必死にM-1に再挑戦した「芸人」山里さん、しずちゃん。

結成15年目で初めて単独ライブを開催し、心の底から思いっきり楽しんで漫才をやった「南海キャンディーズ」。

本当の意味で “南海キャンディーズ” になったお二人は、本当の意味で “芸人” になりました。今後は自らを傷めつけるような漫才ではなく、お客さんを楽しませ、そして自らも心から楽しむ漫才をしていくことでしょう。

再びM-1で輝く夢は失いましたが、それとは比較にならないほど大きく尊い絆(きずな)を、15年かけて二人は手にしたのです。

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